上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

さてお待ちかね(ホント?)、診察の過程についてご説明します。

 そんなん、分かってるって思ってるでしょ?
 でもそれって、医師との遣り取りしてるとこだけですよね?
 んで、診察1回受けたらすぐに病名が分かるはずだ、ワカラン奴は薮だと思ってしまいますよね? (もしかしたらですけど…) 

 ところが、そうでもないのです。
 だもんで、誤解が発生しますし、トラブルになっちゃったりするのです。

 診察し病気を特定するって言うのは、推理小説の探偵のようなものなのです。
(何の病気か、病気を突き止めないことには、診療できませんからね。)

 患者の症状からすると……、
 Aの可能性はないか?Bの可能性は?あるいはCか?……
 確率的にいくと……Bの可能性の方が高いか?
 いや、もしあの検査であれの数値が高いとなるとBという可能性がますます高くなるなぁ……
 う?ん……とりあえずBを想定して治療を進めてみようか。
 症状はとりあえず抑えないと、患者も困るからな……

 あれ?数値が低いよ。Bじゃなかったのか???
 えっ、そんな症状が出てるの? 前から?………
 早く言ってよぉ、それだとDという可能性が出てくるよ。
 …ということは、あの検査をしてみないといかんなぁ……

 おっ、あの検査の結果って、ますますDの確率が高いじゃないの。ということは……
 総合的に考えるとDだなぁ。じゃ、その方向で治療を進めようか。

 てな具合。

  「どうも具合が悪い」「なんか熱っぽい」「身体がいつもと違うなぁ」などの自覚があると、人は医療機関に行こうと考えます。中には堪えに堪えた挙げ句に受診する人もいるでしょう。初診です。

 患者は診察室で、医師に不調を訴えます。色々な症状を医師に話しますよね。医師はその訴えにもとづいて診察を始めます。顔色や表情や、診察室に入って椅子に座る様子も観察対象です。もちろん今でかかった病気の種類・生活歴・家族の病歴も調べ上げられます。

 その時、医師は何を考えているか、分かりますか?

 医師は、患者の訴えを頭に浮かべ、今分かっている情報を元に、初診ですから基本的な診察をしながら、頭の中であれこれと可能性のある病気を思い浮かべています。患者の訴えと基本的な診察によって、思い浮かべる病気の数は違ってきます。

 この時、医師の頭に浮かぶ病名って言うのは、患者の訴えなど今分かっている情報、基本的診察から考えられる代表的な病気なんですね。なんでかっていったら、代表的な病気というのは、罹る確率が高い病気だからです。

 この時点で、珍しい病気を思い浮かべる医師はいないようです。だって、罹る確率が低すぎますから。

 初診で病名が分かるときもあります。
 その時というのは、患者の様子や訴える症状と基本的な診察が、あまりにその病気の症状と同じだったときです。つまり明らかに、病気の症状と、患者の訴え・様子・診察結果が一致したときです。

 さて、初診では病気がはっきり分からないこともあります。「たぶんこれだろうなぁ」という時や、どんな病気か、可能性のある病気はいくつかあるけどどれだか分からないという時もよくあります。まれ「???」というときも……

 薬はもらって「様子を見ましょう」と言われたけど、何の病気なのか分からなかったというときは、こういう場合の時のようです。この時、次は検査する、と言われているときもありますね。この検査はもちろん、病名を確定する、あるいは病名を絞り込むためです。

 もちろん、初診で検査をされるときもあります。

 2度目の受診。初診でもらった薬で症状が消え、「先生、治りました」と患者が言ったとしましょう。この時、医師の想定通りの病気だったときと、「あぁ、あれだったのか」って時と、ごく稀に、「あら、あれで治ったんだ…」ってのもあるみたいです。

 もちろん、そうでないときもあります。

 患者が浮かぬ顔で「先生、あれ効かないよ」「ひどくなっちまった」「ちっとも良くならん」「少しはマシになったけど…」というとき。患者にしてみれば「何だよ、この薮!」と内心思っていたりしますよね。

 この「ひどくなった」と言う訴えで、病気が突き止められることがよくあるようです。つまり、前回よりもはっきり症状が出てくることで、医師の頭に浮かんだいくつかの病気の中から、ある程度絞り込められるからです。中にはこの時点で病気が確定することもあります。(確定すれば、あとは治療するだけです。)

 初診で何らかの検査をしていれば、その検査結果のデータも病気を突き止めるための重要な資料となります。また、今回検査をすることもよくありますが、これも病気を絞り込む、あるいは想定の病気と断定・確認するために行われるようです。

 いくらか症状が軽くなったときなどは、そのまま前回と同じ薬が処方されることもあります。また、別の薬が処方されることもあります。

 3回目の受診。この時点での患者の症状や病歴、家族の病歴、生活歴、これまでのいくつかの検査結果のデータを元に、かなり病気が絞り込まれます。この時点で病気が確定することもあれば、病気の候補が2つ3つに絞り込まれたりします。中には、この時点でも病名が確定できないこともよくあります。
 もちろん、この段階でも「???」という場合もあります。

 医師は現時点で有効と思える薬を処方して、さらに様子を見ようとします。また、新たな検査を考えることもあるでしょう。事によったら、他の病院に紹介状を書くこともあるかもしれません。

 通院2回目・3回目ともなると、患者によっては「ちっとも良くならん!」と業を煮やして病院・医院を替える人も出てきます。で、今まで受診していた医師には無断で、新しい医師の診察室を訪れる人もいます。

 で、往々にして、ここで面白いことが起きるのです。

 新しい医師に診察してもらって、何の病気か判明し、診察・治療で治る事って往々にしてあるのです。その為、患者はこの新しい医師を「名医だ!」と絶賛し、それまで罹っていた医師を「あいつは薮だ!」とこき下ろすのです。

 ひどいもんですよね。
 あれだけ前の医師を悩ませといて、「あいつは薮だ!」ですもん。

 でもね、患者にしてみれば、「何度か通っても治らなかったものを、この医者は治してくれた!」と思うから当然と言えば当然なのです。

 が、実はそうではないんですねぇ。これは単なる患者の思い込みだったりするのです。
 「後医は名医」って言葉、聞いたことあるでしょ?
 まさに、これなのです。

 どういうことかというと、新しい医師の前で患者は、前の医師に訴えた症状と現状と、前の医師に処方された薬や検査結果を伝えますね。あるいは、おおざっぱに前医との会話などを伝えます。すると、新しい医師にとっては、前医よりも多くの情報を得ることが出来るわけです。

 その結果、新しい医師にとって、前医が想定した病気がおおよそ特定されるわけですね。で、その病気ではないらしい とわかるわけです。とすると、絞り込める想定される病気の数はぐっと減るわけです。
 ということは、新しい医師の方が、短期間で本当の病気を突き止められるわけです。

 情報が多ければ多いほど、病名を突き止められやすいのです。

 で、目出度く新しい医師は「名医」の称号を患者からいただける……
 でもこれは、前医が試行錯誤した努力の上にあるものなのですね。
        (まぁ、稀には前医が正真正銘の薮ってこともありますが……)


 このようなことは、病名がはっきりして治療の段階でも起きます。
 病気の中には、いくつもの治療法というものがあって、これは患者1人1人に、「合う」「合わない」ってのがあるようなのです。だもんで、医師は患者に対して色々な治療を試みるわけです。やってみなければ分からないこともありますからね。そして、往々にして一つ一つの治療には日数がかかるのです。

 患者にしてみれば、有効な治療、自分に合う治療にすんなり巡り会うまでのあいだ、不安と不信の心を時として抱くことがあります。
 でもこればかりは、医師は神様ではないので、たちどころにどうかなる、な?んてことは出来ないのです。

 こう言うことは福祉の現場でもあります。
 過去に私が関わったケースでは、利用者さんが入所してから、私が転勤するまでの8年間、その利用者さんの大きな課題に取り組みました。といっても、その利用者さんに関わった職員は私だけではありません。この8年間に多くの職員が入れ替わり立ち替わり色々な手法で関わってきました。

 うちの法人は大所帯なので、職員の転勤が毎年あるわけですが、件の利用者さんに関わった職員の多くは、私がみていた8年間の中の部分、部分で関わったわけです。8年間を通してみれば、件の利用者さんの課題は大きく改善されました。でもそれは、運良く8年間関われた私だからその結果までをみることが出来たのです。

 件の利用者さんに関わった多くの職員は、転勤などにより結果をみることなく、「俺(私)のやった事って何だったんだろう?」と諦めを持って次の職場に移ったのです。で、8年後の件の利用者さんの状況を伝え聞いて「俺の、私のやってた事って、無駄だったんだね」と感想を述べるわけです。

 でも、それは明らかに間違った感想なのです。8年間のさまざまな職員の関わり方、試行錯誤の上に8年後の課題の改善があるのです。

 医療も同じなのですね。試行錯誤がどうしても必要なのです。
 でも、医療は命に直接関わるため、患者側とすれば、試行錯誤が必要であることが、なかなか受け入れられないのです。
 そこが、難しいところですね。


 次回は、「外科医」から、原因が分からないが悪化する患者と試行錯誤する医師、患者の父親の関わりについて紹介します。その次は、人質に取られる感覚について説明します。

 参考文献を追加します。
 中央公論社出版 なだいなだ著「お医者さん ?医者と医療のあいだ」1970年出版
 
 あまりに古いので、書店にないかもしれません。図書館にはあると思うので是非読んでみてください。
スポンサーサイト

【2006/10/17 22:49】 | 未分類 トラックバック(0) |

ドーパミンで痩せる
106
神経細胞間の情報伝達に用いられる神経伝達物質の1つ http://macrophage.victoriaclippermagazine.com/

浄化槽管理士
106
浄化槽管理士とは、水質汚濁防止のため、浄化槽の保守・点検を行う者は必ず保有していなければならない環境庁管轄の国家資格 http://community.markjacobsesq.com/

コメントを閉じる▲
コメント
この記事へのコメント
ドーパミンで痩せる
神経細胞間の情報伝達に用いられる神経伝達物質の1つ http://macrophage.victoriaclippermagazine.com/
2008/10/21(Tue) 01:19 | URL  | 106 #-[ 編集]
浄化槽管理士
浄化槽管理士とは、水質汚濁防止のため、浄化槽の保守・点検を行う者は必ず保有していなければならない環境庁管轄の国家資格 http://community.markjacobsesq.com/
2008/11/04(Tue) 02:09 | URL  | 106 #-[ 編集]
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。